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ドナウ河畔のローマの遺跡(法政大学名誉教授・山本弘文)
   〜山本弘文ゼミ同窓会における卓話〜

 紹介した遺跡はウィーン東方約40kmのカルヌントゥム(Carnuntum)にあるローマの軍団駐屯地と市民居住区で、在外研究でウィーン大学に滞在中、1976年4月に訪ねたものであった。

 この遺跡は同じく軍団駐屯地だったヴィンドボナ(Vindobona)<ウィーンの古名>とともに、紀元1世紀以降のゲルマン人の侵入に備えたドナウ河南岸の要衝であった。紀元前の80年代に始まった発掘によって第14軍団の駐屯地と隣接する市民居住区、二つの野外円形劇場、宮殿跡、異教徒門古ローマ街道などが発掘され、隣村の博物館には発掘品(白い大理石の彫像、モザイクの壁板、ブロンズの置物やアクセサリー、鉄の鏃や馬具、流麗な陶磁器、小さな子供の玩具や各種の鋳貨、灯油皿など)が常時展示されている。

 この遺跡についてはE.フォアベック、L.ベッケル共著(1973年刊)「Carnuntum, Roman der Donau」(カルヌントゥム、ドナウ河畔のローマ)に詳しく、E.フォアベックの解説とL.ベッケルの美しいカラー写真が、遺跡の全容をいきいきと伝えている。

 詳細は「経済史研究余禄」(『経済志林』62巻1号所収)の「ドナウの春」を参照願いたい。

箱根強羅のホテルで記念撮影
箱根強羅のホテルで記念撮影
山本先生とゼミ生
山本先生とゼミ生
(2008.7.7掲載)