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法政大学経済学部同窓会会員短信>「本居宣長記念館リニューアル募金」について

会員短信

「本居宣長記念館リニューアル募金」について

中村寿徳(常任幹事:ホームページ編集委員)


 法政大学とは直接的な関係はないものの、『源氏物語』など、今日では誰しもが知る文学作品を発掘し、国文学の世界に功績を残した本居宣長という方の資料を保存するなどしている松坂の本居宣長記念館が「本居宣長記念館リニューアル募金」を募集しているそうです。

 私は以前、少し関心を持ちかけた事がありました。あまり歴史好きとは言えなかった私も、高校時代の歴史の先生の豊富な知識には惹かれるものがあり、郷土史などについて、授業以外も含め色々と教えていただいた事がありました。その先生の実家が社家を務める紀伊國の須佐神社に、昔、本居宣長が来て講義を行ったという話も聞き、感心した事を憶えていますが、何を間違えたのか本居宣長以外の国学者の本を一冊か二冊読んで、つまらないと思っていました。しかしながら、あらためて目を通して見ると、これが実に目から鱗といいますか、思っていたものとは一味違うのです。

 「国学」というと強権的な印象がありますが、よくよく考えると、国学由来と思われていたものの多くが漢学由来である事に驚きます。また国家神道には一部の国学者達が相当な影響を与えましたが、これとて、それ以前の国学と比べると多分に漢学の影響を反映しており、また都合よく解釈された部分もあります。「尊王攘夷」などは国学というよりは漢学由来の言葉です。

 本居宣長は、杓子定規なものの考え方を批判し、儒教的な男尊女卑の世相を無視して女流文学を評価し、非常に現代的かつ客観的な観点で古典を読み解きました。

 本居宣長の著作は、漢学の言葉を借りれば「尊王攘夷」的な部分は色濃いものに思えます。しかしながら、当時圧倒的であった漢学者達に対して国学者は少数派であった事もあり、また老中松平定信の様に強烈な漢学信奉者が光格天皇派を弾圧するなどの場面もあり、漢学崇拝、大陸崇拝が圧倒的であった事を考えると、おのずとその様な論調にならざるを得ず、また、文献研究を通じて、その思想を読み解くという点では、多くの資料が日本国の独立と正当性を訴える立場で書かれているので、どうしても大陸の大帝国に対しては批判的となります。

 そういった観点で見れば、本居宣長という人物はあの時代としては比較的自由な発想のあった人物であったと思われます。後には一部だけ切り取って政策の権威付けに利用されたりもしましたが、実際の著作を見ると、思っていたのとは違い、目から鱗であったりもします。

 少々、話が長くなりましたが、紀伊國の偉大な文学者である本居宣長の資料を保存する事は、もちろん日本の古伝を遺す上でも大切ですし、また曲解して利用しようとする者達が出る事を防ぐ上でも重要な事であると思いますので、この場をかりて御紹介させていただきたいと思います。

(誰かから頼まれた訳ではなく、紀伊国出身者として、また高校の恩師の何代か前の師と思って自主的に紹介するものです。)